手作り料理部

橋本ねこのお料理部屋( 'ω')

夏バテ対策にも!ヘルシーな本格ユッケジャン

 

 

 

 


夏はどうしても食欲が落ちたりするもの。いわゆる夏バテだ。
涼しい部屋で熱々なものを食べるも良し。辛いもので発汗するも良し。
胃腸が弱る時期でもあるので、消化に良いものや体に優しいものを食べるのも良い。

 

今回はしっかり熱くて辛いものを食べてスタミナをつける方向性で行こうと思う。
そんな時は韓国料理がベスト。辛い料理も多く、適度に発汗&胃も動きやすくなるという効果が期待出来る。
というわけで今から作るのは「ユッケジャン」。ナムルやら何やらの材料さえあれば意外と楽なのかもしれない。

 

材料(2-3人分くらい)

  • 牛肉塊(もも)・・・200~250gくらい
  • 出汁用
    • 水・・・1,000ml
    • 昆布・・・10g程度
    • 干し椎茸・・・30g程度
  • 牛肉下茹で用
    • 水・・・1,000ml
    • にんにく・・・5片
    • 長ネギ・・・1/2本(青い部分)
    • たまねぎ・・・1/2個
    • 料理酒・・・大さじ1
  • ナムル
    • 小松菜ナムル・・・40g
    • もやしナムル・・・40g
    • にんじんナムル・・・40g
  • ヤンニョム漬け
    • ぜんまい水煮・・・40g
    • 玉ねぎ・・・1/4個
    • 韓国唐辛子・・・大さじ2.5(ピリ辛)~大さじ3(やや辛)
    • 醤油・・・大さじ2
    • ごま油・・・大さじ1.5
    • みりん・・・大さじ1.5
    • 酒・・・大さじ1
    • ダシダ・・・8g(1本分)
    • おろしにんにく・・・少々
    • おろししょうが・・・少々
  • 長ネギ・・・1/2本(白い部分)
  • ニラ・・・1/2束
  • 塩・・・ひとつまみ~小さじ1/2程度
  • たまご、ごはん、麺・・・好みで

 

作り方

①出汁を取る

  • 水・・・1,000ml
  • 昆布・・・10g程度
  • 干し椎茸・・・30g程度

 

まずは椎茸と昆布を使って出汁を取る。

椎茸は30g程度、昆布は10g程度を使用。戻した椎茸も一部(3~5個くらい)はユッケジャンに使用するが、大量に余る。半部以上余る。なんか適当に料理に使うと良い。

椎茸も昆布も固く絞った布巾などでぬぐい、汚れを取る。

洗っても良い。任せる。好きにしてくれ。汚れと取るか旨み成分と取るか、みたいなところもあり意見はきっと分かれる。
ゴシゴシし過ぎるとさすがに味に影響する気がする。

 

椎茸の石突はこの時点では落としても落とさなくてもどちらでも。

昆布は数か所に切れ込みを入れておき、出汁が出やすいようにしておく。

これらを冷水1,000mlに浸けて12時間ほど置いておく。

冷水と書いたが最初は常温の水のままでも良い。しかし出汁を取るときは必ず冷蔵庫で冷やしてほしい。
椎茸は冷水の方が効率良く旨みが出るのだ。

 

12時間経ったものがこちら。

椎茸はすっかり戻り、出汁もしっかりと取れている。

 

②牛肉を茹でる

  • 牛肉塊(もも)・・・200~250gくらい
  • 出汁(①)
  • 牛肉下茹で用
    • 水・・・1,000ml
    • にんにく・・・5片
    • 長ネギ・・・1/2本(青い部分)
    • たまねぎ・・・1/2個
    • 料理酒・・・大さじ1

 

先ほど作った出汁で牛肉を茹でることで、牛の旨みが溶け込んだスープのベースを作る工程だ。

 

まずは牛肉を室温に馴染ませておく。

 

牛肉が室温に戻るのを待つ間に、香味野菜たちの準備を行う。

にんにくは5片分。皮を剥き、上端と下端をカット。さらに横半分に水平にカットしておく。

長ネギは青い部分だけを使う。さらにいくつかに分割しておく。

玉ねぎは皮を剥いて半分にカットし、上下を落としておく。

分量はだいたいで大丈夫。

 

続いて、一晩かけて抽出した出汁を漉す。

最初に取り逃した細かな汚れやカスをここで漉す。

昆布も椎茸もまだ使うため、捨てずに取っておく。

 

鍋に漉した出汁水1,000ml香味野菜、そして昆布を入れる。

昆布は後から取り除くため、枚数を数えておくと良い。

椎茸は一旦冷蔵庫かどこかへ下がってもらう。

昆布を入れたまま沸騰させてしまうと、昆布からヌメりが出てしまう。

そのため、遅くても80℃くらいまでには取り除きたい。十分出汁は出ているため、気持ち少し早めに取り除くくらいでも問題無い。

 

火にかける前に牛肉も投入。室温に戻りきっていなくても良いが、さすがに10℃以下だと加熱に時間を要するため、ある程度室温に馴染んでいると良い。

料理酒大さじ1も忘れずに。

入れるべき材料をすべて投入したら、ここで初めて着火。中火くらいでしばらく加熱する。

 

昆布は入れたまま沸騰させてはいけないが、椎茸の旨みは加熱してこそ真価を発揮するという。まぁ椎茸が使っていた汁をそのまま飲もうともあんまり思わないけど。
椎茸から冷水に析出していたのは旨みになる前のもの*1。旨みの素とでも言おうか。
これらは沸騰手前で旨みに変わり、おいしくなる*2。しかし50℃くらいだと分解が始まってしまう*3という複雑な性質を持つ。

なので、椎茸のことを考えると勢いよく沸騰手前まで持っていきたい。昆布のことを考えるとじわじわ加熱していきたい。という感じ。

 

そこで折衷案として中火で加熱していくわけだ。

強火でも良いが、昆布を取り損ねると出汁がネットリするので注意。

 

暫く過熱を続けると、牛肉からおっかねぇほどアクが出てくる。

これらが出てき始めたらもう昆布は掬い出してしまった方が良い。

最初に数えておいた枚数分、確実に取り除く。

昆布はこれ以降登場しない。細かくカットして佃煮か何かにすると良い。

 

昆布を取り除いたら、ここから1時間ほど煮込み続ける。蓋はしなくて大丈夫。

出てくるアクはどんどん取り除く。牛肉ってなんでこんなにアクが出るのか。もう牛肉全部アクとして出て消滅してしまうんじゃないか、ってほどの大量にアクが出てくる。

徐々に濁った色のアクは減ってくる。料理によってはここまでで十分だが、今回はクリアな味にしたいのでつぶさにアクを取り除く。

 

③食材のカット

  • 戻した椎茸(②)・・・40g
  • ぜんまい水煮・・・40g
  • 玉ねぎ・・・1/4個
  • 長ネギ・・・1/2本(白い部分)
  • ニラ・・・1/2束

肉を茹でている間に食材をカットする。

 

先ほど茹でるのに使った長ネギの残りの白い部分ニラを良い感じのサイズに切る。小指の長さくらい。

長ネギとニラは終盤に加えるため、冷蔵庫でお休みいただく。

 

ぜんまい椎茸も良い感じのサイズに切る。細かくしても、存在感を残しても、どちらでも。

玉ねぎはくし切りにする。

 

④ヤンニョムに漬ける

  • カットした椎茸、ぜんまい、玉ねぎ(③)
  • 韓国唐辛子・・・大さじ2.5
  • 醤油・・・大さじ2
  • ごま油・・・大さじ1.5
  • みりん・・・大さじ1.5
  • 酒・・・大さじ1
  • ダシダ・・・8g(1本分)
  • おろしにんにく・・・少々
  • おろししょうが・・・少々

ヤンニョムを用意する。

ヤンニョムは、いわゆるキムチを漬けたりするときに用いる唐辛子を主体とした合わせ調味料だ。

面倒なら市販のキムチとその漬け汁を入れることで、何となくそれっぽく端折ることが出来るかもしれない。日本のお手軽レシピだと白菜キムチを用いる物が多い気がする。

 

ボウルに先ほどのカットした椎茸、ぜんまい、玉ねぎを入れ、韓国唐辛子を大さじ2.5、醤油を大さじ2、ごま油みりんを大さじ1.5、を大さじ1、ダシダを8g、おろしにんにくおろししょうがを適量入れる。



これらをよく揉み込む。使い捨て手袋か何かを付けると楽。

揉み込み終えたら1時間ほど冷蔵庫でお眠りいただく。

ラップを密着させると、なんとなくさらに染み込む気がする。

 

⑤ナムルを作る


ここはお好みで。ナムルを買っても良いし、作っても良い。

塩茹でして味付けするだけ。素材ごとにコツがあるので、詳しくはナムルを作っている別記事にて。

kitchen.neko-labo.work

 

ナムルが手元にある場合は、この工程は飛ばす。

 

⑥出汁を漉す

そうこうしていると、牛肉を煮込んで1時間経った頃だろうか。

 

牛肉を取り出し、粗熱を取っておく。こちらはいい感じのサイズに割くのだが、熱いままだと割きづらいので冷ましておく。

残った出汁は具材を漉してクリアにしておく。

すごい良い匂い。しっかりと牛の出汁の匂いがする。

ここから様々なスープに応用できるスープ・ストックとしても使えそうだ。

⑦牛肉を割く

牛肉の粗熱が取れたら、適当な大きさに引き裂いておく。

もちろん包丁でカットしても良い。お好みで。

 

⑧具材を炒める

  • ヤンニョムに漬けた具材(④)
  • 割いた牛肉(⑦)

これくらいしっかりヤンニョムに浸かれば良い。
これらを鍋に移し、中火で炒める。
油は不要。ヤンニョムの中にごま油を入れてあるので、その油分だけでいける。

 

チリチリ、シューシューと音がし出したら頃合い。

ここで火を弱め、先ほど割いた肉を入れ、焦がさないように混ぜながら5分間炒めていく。

唐辛子を油で炒めることで、唐辛子の旨みや辛さを引き出すことが出来る。香ばしさも出るため、非常に重要だ。
先に炒めておくのか、このまますぐ煮込むのかで全然味が変わる。

 

⑨出汁と合わせる

  • 漉した出汁(⑥)
  • 切ったニラとネギ(③)
  • 塩・・・ひとつまみ~小さじ1/2程度

ここで漉しておいた出汁を入れる。

この時、出汁を沸かし過ぎた等の理由であまりにもスープが少なければ好みで水を足す。

少し火を強め、中火~強火くらいで蓋をして10分煮込む。
蓋をするのは水分量を変えないため、なるべく高温をキープするためだ。

10分経つとこんな感じ。しっかりと唐辛子の色がスープに移り、刺激的な見た目。

これは発色が良くやや甘めな韓国唐辛子ならでは。日本の唐辛子を使うと色は薄いのに辛くなってしまう。逆に赤くせずに辛味を足したいときは重宝するんだけどね。

 

ここにニラ、ネギを入れて2分くらい軽く煮込んだらユッケジャンのベースの完成。

ニラとネギの煮込み工程は馴染ませるためだけなので、そこまで長時間やらなくても良い。この後もどうせ火にかけるし。
シャキシャキとした食感が嫌いならもっと長く煮込んでも良い。

 

味を見て、必要に応じて塩をひとつまみ。
ここからもう少し煮込むので、「少しだけ薄い~丁度良い」くらいにして濃くなり過ぎないように。

 

⑩仕上げ

  • 完成したユッケジャンスープのベース
  • ナムル・・・各40gくらい(1人前20gくらい)
  • たまご、ごはん、麺・・・好みで

 

この鍋から一人用の小鍋へとスープを移し、仕上げに入る。

韓国では全員で鍋をつつくよりも個人ごとの小鍋で食事をする方がメジャーらしい。
歴史が比較的浅いプデチゲは例外らしい。

 

ユッケジャンスープのベースを小鍋に入れ、ナムルも入れる。

ユッケジャンラーメンが良ければ麺も一緒に。うどんも合う。
クッパにする場合は完成したら米を入れる。

 

好みでたまごで閉じる。沸騰している鍋の中に軽く溶いたたまごをそっと回し入れ、箸で切るように数回往復する。20秒ほどそのまま固めて完成。

たまごは混ぜ切らない方が白い部分と黄色の部分がランダムになって見た目が良くなる。

煮込みが足りないとスープに溶けすぎて濁り、煮込み過ぎるとたまごはしっかりと固まってしまう。

 

これで完成。

野菜たっぷりでヘルシーかもしれない。見た目に反してピリ辛くらいで食べやすい。

肉の旨みがスープからしっかり感じられる。これぞユッケジャン。割いた牛肉はワイルドな味わい。モモ肉だから脂肪少なめでジャーキーみたい。

 

鍋と言えばもっとお手軽に作れるものだが、このユッケジャンに関してはもうごちそうの域。

休日、週末に作ってみてほしい。

 

 

 

 

*1:リボ核酸

*2:リボ核酸+ヌクレアーゼ⇒グアニル酸=旨み成分

*3:グアニル酸+フォスファターゼ⇒グアノシン=not旨み成分