今回はナムルを作る。
レンチンしてごま油、塩、胡椒、おろしにんにくで和えるだけで完成するお手軽レシピもあるが、敢えて手間暇かけてしっかりと作ろうと思う。
野菜を塩茹でしてごま油と調味料で和えればナムルと呼ぶことが出来る。青菜、山菜、根菜、実や茎、色々なものがナムルに出来る。
ただ、使用する材料は野菜や果実などの植物に限り、例えば肉に対して同様の調理を行ってもナムルとは呼ばないらしい。
ナムルは立派な副菜の一つであり、それ単体でもおかずとして成り立つ。
様々な料理に具材として入れることもできる。例えばビビンバやクッパ、スープに一緒に入れたり。
「漬け物」と勘違いしている人もいるが、その実はどちらかというと「おひたし」の方が近い。
作ってみる
ポイント
これらのポイントはすべて時間と手間がかかるため、時短するならばこれらのポイントを無視すれば良い。ただし、凝れば凝るほど美味しさも比例する気はする。
①塩茹でをする
時短レシピではレンチンした後に塩を使って調味することがほとんどだが、本来は塩茹でを行う。塩水を沸かし、茹でながら下味を入れていく。
②粗熱を取ってから味を染み込ませる
粗熱を取って、食材が落ち着いてから味を入れた方が染み込む気がする。
見ていると熱いうちに調味する手法もあるが、個人的にはまず粗熱を取った方が良いような気がしている。
③素材ごとに調理や味付けを変える
根菜と葉菜では火の通りが違うため湯で時間が異なるのはイメージしやすいと思う。
また、すべて同じ味付けをしてしまうと、せっかく食材が違うのに何だか一辺倒になってしまう。個性を引き立たせてあげるような味付けをしていく。
今回は、もやしナムル=塩×にんにく、小松菜=醤油、にんじん=甘みと塩気、とそれぞれを楽しめる味付けにしていく。
材料(もやしナムル、小松菜ナムル、にんじんナムルの合計)
- もやし・・・1袋
- 小松菜・・・2株
- にんじん・・・100g
- 沸かす水・・・3000ml(3回分)
- 溶かす塩・・・30g(3回分)
- 調味液用
- ごま油・・・小さじ4
- 塩・・・ひとつまみ
- 胡椒・・・少々
- 砂糖・・・小さじ1/3
- にんにく・・・3g
- 鶏ガラスープの素・・・小さじ2
- 醤油・・・小さじ1
- すりごま・・・少々
- いりごま・・・少々
水は1000mlを沸かす。水に対して1%の塩(10g)を溶かす。岩塩だとマイルドすぎるような気がして何となく粗塩を選んでいるが、好みの塩で構わない。
もやしのナムル
材料(作りやすい分量)
- もやし・・・1袋
- 沸かす水・・・1000ml
- 溶かす塩・・・10g
- 調味液
- ごま油・・・小さじ2
- 胡椒・・・少々
- にんにく・・・1.5g
- 鶏ガラスープの素・・・小さじ1
- いりごま・・・少々
味付けは非常にシンプル。いりごまは混ぜておくとコクが出るのでぜひ。
作り方
①塩水を沸かす
- 沸かす水・・・1000ml
- 溶かす塩・・・10g
水1000mlに対し塩10g(水の重量の1%)を溶かし、火にかけておく。
②もやしを準備する
- もやし・・・1袋
もやしを軽く洗い、ひげ根や豆の部分など気になる部分があれば取り除く。
③もやしを茹でる
もやしを2分間茹でる。
その後、ザルにあげて10分間水を切りながら粗熱を取る。
④調味液を作る
- ごま油・・・小さじ2
- 胡椒・・・少々
- にんにく・・・1.5g
- 鶏ガラスープの素・・・小さじ1
- いりごま・・・少々
もやしの粗熱を取っている間に調味液を作る。
材料をすべて混ぜ合わせておく。
⑤もやしと調味液を混ぜる
ザルの上のもやしをキッチンペーパーなどでトントンと押すようにして水気を取る。
その後調味液と混ぜ合わせて完成。ムラが出ないように手で混ぜ合わせるのが良い。
小松菜のナムル
材料(作りやすい分量)
- 小松菜・・・2株
- 沸かす水・・・1000ml
- 溶かす塩・・・10g
- 調味液用
- ごま油・・・小さじ1
- 鶏ガラスープの素・・・小さじ1
- 醤油・・・小さじ1
醤油ベースの味付けを行う。味は結構しっかりめ。この小松菜ナムル単体でも十分副菜になる。
作り方
①塩水を沸かす
- 沸かす水・・・1000ml
- 溶かす塩・・・10g
水1000mlに対し塩10g(水の重量の1%)を溶かし、火にかけておく。
②小松菜を準備する
- 小松菜・・・2株
小松菜は根元を洗い、一枚ずつちぎる。ちぎった後改めて丁寧に洗い、根元1cmほどを落とす。
その後、茎部分と葉部分に分け、それぞれを4~5cm程度にカットしていく。
茎と葉は柔らかさが違うため火の入り具合が異なる。茹で時間をずらして茹でていくため、茎と葉は分けておく。
こういうカットをするときのレシピは便宜上○cmと載せたりするが、実際は「一口で食べられるか」にフォーカスすると良い。サイズが揃っていることも大事。
③小松菜を茹でる
小松菜を茹でていく。
まずは茎から。茎を先に30秒ほど茹でたら葉を入れて更に20秒。これで完成だ。
茹で時間は「これだけで大丈夫…?」くらいで問題無い。
適度な茹で時間で留めることで、鮮やかな緑色と食感を残すことが出来る。
④粗熱を取る
茹で終えたら直ちに流水で冷やす。余熱で火が入り過ぎるのを防ぐ。
完全に冷えたら、手でギュッと絞って水気を切る。結構しっかりと絞って良い。茎はちょっと表面がポキッとするギリギリまで力を入れて絞る。これにより表面に傷がつき、調味液が入りやすくなる。ただしやり過ぎると食感を損なう。
⑤小松菜と調味液を合わせる
- ごま油・・・小さじ1
- 鶏ガラスープの素・・・小さじ1
- 醤油・・・小さじ1
小松菜はちょっと醤油を入れて分かりやすい味のナムルにする。
にんじんのナムル
材料(作りやすい分量)
- にんじん・・・100g
- 沸かす水・・・1000ml
- 溶かす塩・・・10g
- 調味液用
- ごま油・・・小さじ1
- 塩・・・ひとつまみ
- 胡椒・・・少々
- 砂糖・・・小さじ1/3
- にんにく・・・1.5g
- すりごま・・・少々
作り方
①塩水を沸かす
- 沸かす水・・・1000ml
- 溶かす塩・・・10g
水1000mlに対し塩10g(水の重量の1%)を溶かし、火にかけておく。
②にんじんを準備する
- にんじん・・・100g
にんじんは皮を剥き、4~5cmの幅でカット。それらを細く切っておく。
③にんじんを茹でる
沸騰した塩水で1分間塩茹でする。
その後ザルにあげて10分間水を切りつつ粗熱を取る。
④調味液を作る
- ごま油・・・小さじ1
- 塩・・・ひとつまみ
- 胡椒・・・少々
- 砂糖・・・小さじ1/3
- にんにく・・・1.5g
- すりごま・・・少々
にんじんの粗熱を取っている間に調味液を作る。
これらを混ぜ合わせておく。
⑤にんじんと調味液を合わせる
粗熱の取れたにんじんの上からペーパーを当て、水気を切る。
茹で過ぎているとにんじんがふやけてしまうので注意。
食べてみる
食材の色合いも美しい、三色ナムルの完成だ。
小松菜ナムルはしっかりとした味わい。これだけで肴になる。
もやしナムルは無限に食べることが出来そうな味。ラーメン屋さんに置いてありそうな味と言えばイメージしやすいだろうか。
にんじんナムルは甘さと塩気が丁度良い。お弁当のおかずにも出来そうだ。
これらを使ってビビンバやキンパを作るのも良いが、これだけでも十分な副菜になる。
保存は冷蔵で数日。もう少し工程を楽にすれば常備菜にも。今回みたいに凝ればおかずの一品に。