角煮を作ろう。そう思い、タコ糸を買い、デカい豚肉を買う。
デカい豚肉は無限大。当ブログでも事あるごとにでかい豚肉を使い、ルーローハン、ポークビンダルー、プルドポークと作ってきた。
古今東西、世界各国にデカい豚肉を焼いたり煮込んだりする料理が存在する。さすがに宗教的にタブーな国は除外するが、それはもうありとあらゆる調理法がある。
今回は角煮を作る。ちょっと工程は面倒臭いが、出来たときの喜びはひとしお。
角煮にも和風・台湾風・中華風と色々あるが、今回作るのは「チャーシュー」にインスパイアを受けた角煮だ。ほぼ和風の角煮だが、ところどころの作り方がチャーシューに近い。
材料(2人分)
- 豚バラブロック・・・500g
- 煮込み用
- 玉ねぎ・・・1/2個
- ネギ・・・青い部分1本分
- にんにく・・・3片
- 生姜・・・2片分
- 鷹の爪・・・1本
- 昆布・・・10g
- 水・・・1,000ml
- 酒・・・50ml
- サラダ油・・・大さじ1
- タレ
- 醤油・・・150ml
- 酒・・・100ml
- 砂糖・・・40g
- バルサミコ酢・・・20ml
- ネギ・・・白い部分8cm分程度
- 和からし・・・お好みで
ポイント
- 豚肉の脂と肉のバランスで完成時の味わいが変わる。脂が多ければプリプリで味の染み込んだ濃厚な角煮、脂が少なければ肉の食感を楽しめる食べ応えのある角煮、となる。
- 部位はバラを使用したが、絶対にバラ肉でなければいけないというわけではない。
- 鷹の爪・バルサミコ酢は無ければ省いても良い。鷹の爪の代わりに粉唐辛子、バルサミコ酢の代わりに米酢、と代用すると、変に辛味や酸味が付いてしまう。
作り方
①昆布を戻す
- 昆布・・・10g
- 水・・・1,000ml
まずは鍋に水1,000mlと昆布10gを入れ、1時間ほどかけて昆布を戻す。
水に対しての昆布の量は1%を目安とする。
この鍋は冷蔵庫に入れて冷やしておきたい。鍋ごと冷蔵庫に入らなければ、お茶や水を入れるピッチャー等の筒状の容器でも良い。
待ち時間を使って、次の工程を進めていく。
②食材の準備をする
- 玉ねぎ・・・1/2個
- ネギ・・・1本分
- にんにく・・・3片
- 生姜・・・2片分
続いて、豚と共に煮込む香味野菜たちを準備する。
玉ねぎは1/2個分を用意。上下を落とし、皮も取り除く。
ネギは青い部分と白い部分に分け、青い部分を適当な大きさに手でちぎる。白い部分は後から白髪ネギとして使う。
にんにくは上下を落として包丁で潰し、皮を取り除く。潰すと皮が浮いて剥きやすくなる。潰したときに分裂してしまっても問題無い。
生姜は皮をよく洗い、皮付きのまま少し厚めにスライスする。
ついでにネギの白い部分も切っておく。
4cm幅くらいにカットしたものを2つくらい使う。好みでもっと使っても良い。
芯の中央まで切れ込みを入れ、ネギを展開する。
今回はネギの中心部は取り除いているが、もちろん食べられるので何かに使っても良い。
これを平たく並べて千切りにしていく。
その後、ボウルにザルを重ね、その中で流水に当てながらヌメリを取るように揉んで洗う。ある程度ヌメリが感じられなくなったら、溜めた水に10分程さらしておく。
③豚肉の下処理
- 豚バラブロック・・・500g
続いて豚肉の下処理。
今回使う豚肉はこんな感じで脂身がすごい。そのせいか安くで入手できた。
こういう煮込みには高級な豚肉を使う必要は無い。もちろんそれはそれでおいしいのかもしれないが。
安い豚肉にもチャンスがある、それが煮込み料理なのかもしれない。
まずは豚肉を数か所フォークで突き刺し、表面の薄い膜や筋なんかに穴を開けていく。縮むのを防いだり味が入り込みやすくなったりと恩恵があるので、面倒臭がらずにやってほしい。
その後、糸を巻いていく。
言葉での説明が非常に難しいが、まずは端近くに堅結びをし、輪っかを作って肉を持ち上げて通して締めあげていくのを繰り返す。これで表は完了。
肉をひっくり返し、今度は輪っかを作って肉と巻かれた糸の間を通す。そこに向かって残りの糸を通すことで締めあげることが出来る。これを繰り返し、無事一周したら最初の起点で堅結びをして完了。
需要があれば動画を作ろうと思う。
まぁ巻き方は適当でも良い。グルグル—ッと巻いてあれば効果は同じだ。
④煮込む
- 糸で巻いた豚肉(④)
- カットした玉ねぎ、にんにく、生姜、ネギの青い部分(②)
- 昆布の出汁(①)
- 鷹の爪・・・1本
- 酒・・・50ml
豚肉、玉ねぎ、ネギの青い部分、にんにく、生姜、鷹の爪を鍋にまとめる。昆布は入れたままで大丈夫。
昆布だけ途中で取り除くので、あらかじめ枚数を数えておくと取り出し忘れが無くなる。
ここに酒50mlを入れて弱火で着火。
昆布を入れたまま沸騰させると昆布からヌメリが出てしまうため、昆布は沸騰前に取り除く。
昆布を入れ続ける時間が長い方がより旨みは出るが、ギリギリまで待ってヌメリが出るくらいなら少し早めにご退場いただいた方が良い。
沸騰前になるとアクが出てくるので取り除く。
沸騰したら、蓋をしてそのまま1時間半煮込む。たまに蓋を取り、アクを取り除いたり寝返りを打たせてあげるかのように中身の具材の位置をちょっといじるなどする。
⑤豚肉を取り出し、煮汁を漉す
柔らかく煮込まれた豚肉。香味野菜と酒のおかげで臭みも良い感じに取れていることであろう。
肉を取り出し、10分程度そのまま放置して粗熱を取る。
豚肉を煮るのに使ったこの煮汁もまた後から使うが、香味野菜たちはここで御役御免となるため、煮汁を漉す。
煮汁を漉すのにそれなりに時間がかかるので、次の工程を同時進行していく。
⑥焼き付ける
- 煮込んだ豚肉(⑤)
- サラダ油・・・大さじ1
フライパンにサラダ油を熱し、豚肉の表面に焼き目を付けていく。
豚肉が大変柔らかくなっているため、分裂しないように注意。また、油ハネにも注意。
火を通すというより焼き目を付ける作業なので、中火くらいで焦げないように数分ずつ焼いていく。トングや菜箸でアシストしながら、各面を焼いていく。
⑦タレを作る
- 漉した煮汁(⑤)
- タレ
- 醤油・・・150ml
- 酒・・・100ml
- 砂糖・・・40g
- バルサミコ酢・・・20ml
豚肉の表面に焼き色を付けている間に煮汁が漉せただろうか。
400ml~500程度になっていればこのまま使用する。もし多ければ余った分はスープか何かに加工すると良い。豚肉が浸からないほど少なそうならば水を足す。
こちらに醤油150ml、酒100ml、砂糖40g、バルサミコ酢20mlを入れ、中火で煮立たせる。
酒のアルコールを飛ばすのと、バルサミコ酢の酸味をマイルドにするためだ。
匂いを嗅いでみて、アルコールやバルサミコ酢の鼻への刺激が無いなと感じるならばOK。火を止める。
⑧豚肉をタレに漬ける
- 焼いた豚肉(⑥)
ここに豚肉を入れる。
あとは余熱でジワジワと味を入れていく。
キッチンペーパーを落し蓋にし、粗熱が取れるまで1時間くらいそのまま置いておく。
粗熱が取れたら冷蔵庫で一晩寝かせる。ここで豚肉にしっかりと味が入るのだ。
⑨鍋を加熱する
翌日。すっかり冷えた鍋のキッチンペーパーを外すと、白く固まった脂が浮いている事だろう。
まずはこれをタレに戻すため、加熱する。豚肉は鍋に入ったままで良い。
脂の塊がタレに戻れば火を止めて問題無い。沸騰させたり煮込む必要は無い。
⑩フライパンで表面の仕上げ
続いて、煮汁だけを100ml程度フライパンに移し、沸騰させる。
沸騰したら弱火にし、5分程度じっくりと煮詰める。
ある程度タレが煮詰まって濃くなったら、豚肉をフライパンへ移す。
ここで少しだけ火を強め、タレを豚肉の各面に絡ませるようにして焼きつけていく。
1面あたり30秒~1分くらいだろうか。表面においしそうな照りが出る。
あとは好みのサイズにカットして完成となる。
白髪ネギ、からしはお好みで。
ごはんが無限に入っていく、少し濃い目の味付け。脂身もしっとりおいしい。
タレは大量に余るので、角煮丼にするなら上からかけても良いし、残ったタレで煮卵を作るのもアリだ。