手作り料理部

橋本ねこのお料理部屋( 'ω')

スパイスから作る、自家製スープカレー

 

 

 

ふと、スープカレーが食べたくなった。

色々なカレーを作り、いくつかはこのブログでも取り上げているが、そういえばスープカレーって自作したことが無かったなぁと思い。

 

検索するとちらほらレシピは出てくるけども、僕の直感が「これだとうまく行かなくない…?」と言っている。
レシピと言っても玉石混交。そして味覚だってみんな違う。

今回は僕なりにおいしいと思える作り方で、そして"スープカレーらしさ"を考えながら作ってみた。

 

材料(2皿分)

  • 手羽元・・・300g(5~6本くらい)
  • セロリ・・・1本
  • たまねぎ・・・1個
  • サラダ油・・・大さじ3+大さじ2
  • 先入れスパイス(スターター)
    • ローリエ・・・1枚
    • シナモンスティック・・・1本
    • 鷹の爪(唐辛子)・・・1本
    • クミンシード(ホール)・・・大さじ1
    • コリアンダー(ホール)・・・大さじ1
    • カルダモン(ホール)・・・6粒ほど
    • クローブ(ホール)・・・6粒ほど
  • おろしにんにく・・・小さじ1
  • おろししょうが・・・小さじ1
  • 塩・・・少々
  • 胡椒・・・少々
  • パプリカパウダー・・・大さじ1
  • 鶏ガラスープ・・・500ml
  • 砂糖・・・大さじ1
  • トマトペースト・・・1包(18g)
  • 後入れスパイス
    • クミン(パウダー)・・・1振り
    • コリアンダー(パウダー)・・・1振り
    • カルダモン(パウダー)・・・1振り
    • クローブ(パウダー)・・・1振り
    • ターメリック(パウダー)・・・大さじ1
    • ナツメグ・・・2振り
    • バジル・・・1振り
    • オレガノ・・・1振り
    • パセリ・・・1振り
    • 唐辛子・・・辛さが足りなければ
  • その他具材をお好みで
    • ゆでたまご、かぼちゃ、れんこん、じゃがいもなど

ポイント

  1. トマトペーストを入れるかどうかは最後まで悩んだ。
    意外と入れないレシピが多く出てくるが、旨みと味のベースになるのであった方がおいしいと思う。
  2. 肉は骨付きの物を使うとさらに旨みが出て良い。特にトマトを入れないならば必須。今回は手羽元を使用。手羽先でも手羽中でも、豪快にチキンレッグもアリ。
  3. "スープ"なので、普段のルゥ作りのような小麦粉は不使用。小麦粉を使わないことによってトロみも付かない。
  4. スパイスは通常のカレーでよく見るものに加え、バジルやオレガノ等のヨーロッパっぽいスパイスも入る。これは本場北海道のスープカレーでも使われていることが多いので参考にした。これらがあることにより、ちょっとインドカレーと違うテイストになっているのかも。
  5. 全体的に素材感・食感を無くす。潰したり漉したり、ミキサーやフードプロセッサー等、やり方は色々。
    にんにくやしょうがも粒感を出したくないので、敢えてチューブのものを使っている。
  6. 辛さはピリ辛くらいに仕上がる。必要に応じてパウダータイプの唐辛子を加えて調整すると良い。

作り方

①野菜の準備

  • セロリ・・・1本
  • たまねぎ・・・1個

セロリは水洗いしたのち、すりおろしにする。

葉も使うとセロリ感が強くなり過ぎるので、今回は取り除いて茎のみを使用する。

セロリはおろし金でおろす。ミキサーでも良さそうだが、繊維が多く入ってしまう気がするため、アナログながらおろし金を使う。

このように、おろし金でおろすと繊維だけ残る。

尤も、ミキサーですり潰せば固い繊維ごと粉砕してくれるが、なんとなく繊維を入れすぎないようにしたいと思う。個人的にね。

 

すりおろしたセロリはこんな感じ。

この時点では全然おいしそうじゃない。スープカレー作りの途中経過だと言っても信じてもらえないだろう。
大丈夫、ここからちゃんとおいしくなるから。

 

玉ねぎは頑張ってみじん切りにする。粗すぎると食感に関わる。頑張れ。

玉ねぎもすりおろせば良い気がするのだが、繊維を壊し過ぎてしまい、結果水分が多く出る。この後炒めたいので、最初から水分が多く出すぎていると思い通りに炒めることが出来ないのだ。
諦めて根気良くみじん切りしてほしい。

 

②スパイスを炒める

  • サラダ油・・・大さじ3+大さじ2
  • 先入れスパイス(スターター)
    • ローリエ・・・1枚
    • シナモンスティック・・・1本
    • 鷹の爪(唐辛子)・・・1本
    • クミンシード(ホール)・・・大さじ1
    • コリアンダー(ホール)・・・大さじ1
    • カルダモン(ホール)・・・6粒ほど
    • クローブ(ホール)・・・6粒ほど

ここではスパイスの香りを油へと移していく作業を行う。
厳密には"炒める"というと適切じゃないんだけど、伝わりやすいので便宜上"炒める"とする。

 

スパイスはホールスパイスを用意。

ローリエ1枚、鷹の爪1本、シナモンスティック1本、クローブ6粒、カルダモン6粒、コリアンダー大さじ1、クミン大さじ1。
一応量を示したが、こちらは一つの正解の目安としてもらい、好みに合わせて調整すると良い。

もしホールじゃなくてパウダータイプしか持っていなければ、後から煮込むときに加えると効果的。
パウダータイプは香りが飛びやすいし、焦げやすいので苦みが出やすい。このタイミングで火にかけるのはちょっとリスキー、というわけだ。

 

フライパンにサラダ油を大さじ3。まだ火は点けない。そしてスパイスを入れる。

香りを積極的に出したいものは潰したり折ったり。あまり前面に出したくないものはそのままで。

今回はローリエ、鷹の爪を中央でカット。シナモンも折った。他はそのまま。
鷹の爪の中の種*1も一緒に入れちゃう。
カルダモンを包丁の横で潰したりして、よりカルダモンを強調するのも良い。今回はカルダモンはそのまま。

スパイスを全部入れたらフライパンを動かして油をフライパン全体へ、そしてスパイスと油をなんとなく馴染ませる。

油が行き渡ったら、ここでやっと点火。絶対に焦がさないよう、弱火で。ある程度中身はゆすり続け、一ヶ所に熱が加わり過ぎないようにする。

 

香りが出てくるまで加熱する、と記述することが多いのだが、実際割と早い段階で香りは立ってくる。
そこで、僕はカルダモンがぷっくりと膨れだすのを合図にすることが多いが、今回はもっと分かりやすい鷹の爪が入っているため、こちらを目安にする。

鷹の爪の色はどんどん変わってくる。意識しないと変化に気付きづらいが、上の写真と下の写真を見てもらえれば鷹の爪がどんどん深い茶色へ変化しているのが分かる。

シナモンと鷹の爪の違いが一瞬分かんなくなってくるくらいの色になったら頃合い。
この辺でローリエ、鷹の爪は退場。ここで全てのスパイスを取り除いても構わない。

 

③玉ねぎを炒める

  • みじん切りにした玉ねぎ(①)
  • おろしにんにく・・・小さじ1
  • おろししょうが・・・小さじ1
  • 塩・・・少々

スパイスの香りが移った油で、玉ねぎを飴色になるまで炒めていく。
スパイスを取り除きつつ、焦げ付きそうなら水を足しながら炒め続ける。

 

フライパンに玉ねぎ、にんにく小さじ1、しょうが小さじ1、塩少々を追加。

これらを炒めていく。
とともに、徐々に大きいスパイスから取り除いていく。
シナモンやカルダモンはそろそろ退場。

 

10分程炒めた様子。嵩は70%くらいになったかも。

これくらいになると玉ねぎから水分が出てきだすので、ちょっと焦げづらくなる。多少目を離しても大丈夫。
というわけで、この時間を利用して次の④へ進んでおくと良い。

 

だいたい30分近く経つと、嵩は半分くらいに。

この頃になると、玉ねぎから出ていた水分も飛びきった頃。
適宜、水を少量足しながら、根気良く炒めていく。
暇つぶしがてら、クローブやコリアンダーを見つけては取り除いていく。ついでにフライパン全体も混ざるし良い。

最終的に鷹の爪の種とクミン以外はすべて取り除く。クミンは焦げてもそこまで影響無いし、取りづらいし。唐辛子の種も同じく。

狂ったように炒め続け、飴色にする。
玉ねぎは炒めれば炒めるほど甘みと旨みが増す。このスープカレーの味の核でもある。

これくらいの色にはしたい。

 

④手羽元の下処理

  • 手羽元・・・300g(5~6本くらい)
  • 塩・・・少々
  • 胡椒・・・少々

手羽元が凍っていない事を確認し、下味を付けておく。

全体に塩胡椒をまぶし、馴染ませる。

だいたい10分とか15分とか置いておけば十分。あまり長い時間置くと旨みが逃げていっちゃうので、玉ねぎの炒め具合との兼ね合いで。
不安ならば玉ねぎを炒め終わってから準備しても差し支えない。同時進行しない分、時間は長くかかるが。

 

こだわるなら骨に傷をつけておくとより旨みが出るが、包丁が滑ると危ないしオススメはしない。

 

⑤手羽元を焼く

  • 下処理した手羽元(④)
  • サラダ油・・・大さじ2
  • すりおろしたセロリ(①)
  • パプリカパウダー・・・大さじ1
  • 炒めた玉ねぎ(③)

フライパンに油を弾き、手羽元を焼いていく。
後から煮込むので火を通しきる必要は無い。焼き色を付けるのが目的となる。

弱めの中火くらいで。

 

表面に良い感じの焼き色がついてきたら、すりおろしたセロリとパプリカパウダーを入れる。

不安になる色合いだが、大丈夫。信じて。

セロリにも熱を伝えるように、パプリカパウダーも全体に馴染むように、よく混ぜながら引き続き加熱。

 

だんだんセロリがしんなりしてきて、パプリカパウダーと合わさるとなんと黄色に。カレーに近づいてきた。

フライパンの中身が満遍なく馴染んできたら、炒めた玉ねぎも入れちゃう。

こちらはもう十分加熱してあるので、馴染んだらOK。

 

⑥煮込む

  • 鶏ガラスープ・・・500ml
  • 砂糖・・・大さじ1
  • トマトペースト・・・1包(18g)
  • 手羽元、玉ねぎ、セロリを炒めたもの(⑤)
  • 後入れスパイス
    • クミン(パウダー)・・・1振り
    • コリアンダー(パウダー)・・・1振り
    • カルダモン(パウダー)・・・1振り
    • クローブ(パウダー)・・・1振り
    • ターメリック(パウダー)・・・大さじ1
    • ナツメグ・・・2振り
    • バジル・・・1振り
    • オレガノ・・・1振り
    • パセリ・・・1振り
    • 唐辛子・・・辛さが足りなければ

唐突だが、ここで鶏ガラスープを用意する。
しっかりガラから取っても良いし、インスタントでも良い。

ここに先ほどの手羽元と玉ねぎ、セロリを炒めたものを入れる。

更に、砂糖大さじ1、トマトペースト1包も入れる。

こちらを火にかけ、煮立つまで中火。

 

煮立ったら一旦火を止め、パウダースパイス各種を入れる。

今回はクミン、コリアンダー、カルダモン、クローブ、バジル、オレガノ、パセリを1振りずつ。ナツメグは2振り。そしてターメリックは大さじ1。

鍋の中身を混ぜ、蓋をして弱火で25分程煮込む。

 

⑦仕上げ

煮込み終われば完成。
クミンやバジル・オレガノ等が黒い粒となってスープ表面に浮いているのが、スープカレーっぽさを出している。と思う。

お好みで唐辛子パウダーを入れて辛さをプラスしたり。

そして、スープカレーに欠かせないのはたくさんの野菜。

好みの野菜を好みのサイズにし、素揚げしていく。

 

あとは良い感じに盛り付ければ出来上がり。

今回用意した具材は、ゆでたまご、じゃがいも、カボチャ、ピーマン、ヤングコーン、れんこん、にんにく。
野菜は全部素揚げ。根菜はちょっと長めの時間でじっくりと、その他の野菜は高温でシャキッと。

 

食べてみると、非常においしい。

味はちゃんとカレー。コクも旨みもある。玉ねぎをひたすらに炒めていた時間が報われるかのよう。

恐れ多い話だが、かつてネットショップでスープカレーを買って食べたときはそんなにおいしいと思えなかった。ハマらなかったのだ。
しかし、改めて食べてみると、これはおいしい。熱狂的にスープカレーにハマる人の気持ちも分かる。

 

 

 

 

 

 

*1:唐辛子の種は結構辛いため、入れると辛味が増す。