尾頭付きの鯛を丸々一尾使って、まこと贅沢な鯛めしを作る。
切り身でも十分おいしくできるんだけど、春だもの。たまには豪快に炊き込むのも楽しい。
材料(4人分)
- 真鯛・・・1尾(26cmくらい)※サイズは調理器具と相談しながら決める
- 米・・・3合
- 塩(下味用)・・・小さじ1
- 塩(味付け用)・・・小さじ1/2
- 水・・・650ml
- 昆布・・・1枚
- 醤油・・・小さじ2
- 酒・・・大さじ2
- みりん・・・大さじ1
- 三つ葉・・・適量
- いりごま・・・適量
ポイント
鯛は下処理してもらう
尾頭付きの鯛を買うときに、鮮魚コーナーの店員に下処理をお願いしておく。
スーパーでも市場でもサービスでやってくれることが多い。
ウロコかきから内蔵~エラの処理などを尾頭付きのまま家でやるのは大変なので、ぜひプロにやってもらいたいところ。
鯛は先に炙っておく
米と鯛を炊き込む前に、鯛の表面を炙る。鯛はパリッとした皮目も醍醐味。
作り方
①米を用意する
- 米・・・3合
時間を逆算し、米を炊き始める1時間ほど前に作業を始める。
米を三合計り、水を使って研ぎ洗う。
洗い終えたら、米はザルにあげた状態で20分程置いて水気を切る。
この間に鯛を準備していく。
②鯛を準備する
- 真鯛・・・1尾(26cmくらい)
鯛は下処理済みの物を用意。
おなかの中をさっと水洗いし、キッチンペーパーなどを使って水気を切る。
胴の部分に数か所切れ込みを入れておく。
今回は両面に3か所程度、浅めの切れ込みを入れた。×印にしても良い。お好みで。
その後、両面に満遍なく下味用の塩を振り、10分程置いておく。
③米を浸水させる
- 洗って水気を切った米(①)
- 水・・・650ml
- 昆布・・・1枚
昆布は固く絞った濡れ布巾で表面の汚れを軽くぬぐう。あまりにもゴシゴシと擦ると旨みも逃げてしまうような気がする。
昆布には左右から数か所切れ込みを入れておく。これにより、さらに効率的に出汁が出ると思う。
土鍋の中に先ほどの水気を切り終えた米、水650ml、昆布1枚を入れ、30分程浸水させる。
この間に鯛を焼く。
④鯛を焼く
- 塩を振っておいた鯛(②)
塩を振っておいた鯛からは水分が表面に浮かんでくる。これは雑味の元となるため、キッチンペーパーなどで拭きとっておく。
この鯛をフライパンで焼いていく。グリルがあればグリルでも良い。
フライパンに専用のクッキングシートを敷き、着火。中火でフライパンをよく温めておく。
調理器具がぬるいと魚がくっついてしまい、身もボロボロになってしまう。
フライパンがよく温まったら鯛を乗せる。
最初は蓋をして4分程蒸し焼き。
その後、ひっくり返したら今度は蓋をせずに水分を飛ばしながら4分程焼く。
圧倒的にフライパンの幅が足りないような気がするが、焼ければ問題ない。
皆様には事前にフライパンの直径と魚のサイズをちゃんと比較し、適うフライパンを用いていただきたい。
⑤炊く
- 焼いた鯛(④)
- 浸水した米(③)
- 塩(味付け用)・・・小さじ1/2
- 醤油・・・小さじ2
- 酒・・・大さじ2
- みりん・・・大さじ1
米を30分ほど浸水させ終えると、昆布がすっかり戻っている。
このまま土鍋に調味料を入れていく。
塩は小さじ1/2程度、醤油小さじ2、酒大さじ2、みりん大さじ1を入れ、混ぜる。
その後、この昆布の上に先ほど焼いた鯛を乗せる。
フライパンが小さかったせいで、鯛の尾が温度の高いフライパンの縁にあたり続け、遺憾ながら本体から尾が離脱してしまった。
そして鯛が土鍋に入りきっていないような気がするが、それは目の錯覚である。
皆様には事前に土鍋の直径と魚のサイズをちゃんと比較し、適う土鍋を用いていただきたい。
しかし尾の部分からも良い出汁は出るため、このまま引き続き尾にもご参加いただく。
土鍋の蓋をし、強めの中火にして煮立たせる。
煮立ってきて、蓋の穴から白い煙が登り始めたら、少し火を落として中火。中身が気になるけど、蓋は開けないように。
中火の状態で沸騰後7分程炊いたら弱火に落としてさらに10分炊く。
その後、火を止め、蓋をしたままで10分間置いて蒸らす。
⑥鯛をほぐす
蓋を取ると、そこには贅沢な鯛めしが。
すさまじいビジュアル。
そしてここで重要な仕上げ、「鯛をほぐす」工程に入る。
鯛は結構細かく骨があり、先に取っておかないと大きく食感を損ねる。
まずはヒレを除き、上部の身から剥がしていく。中骨が完全に見えたら、中骨とともに頭も取る。
あとは小さな骨も見逃さず丁寧に外していけばOK。
鯛の身がすっかり取れたら昆布を取り除き、鯛の身をほぐしながら全体をさっくりと混ぜ込む。
⑦仕上げ
- 三つ葉・・・適量
- いりごま・・・適量
仕上げに三つ葉やいりごまを散らす。小葱、大葉などをあしらっても良い。
芳醇な香りが漂う。食べる前から分かる。「おいしい」と。
調味料もシンプルで、鯛の旨みを存分に引き出している。
「素朴な贅沢」はQOLも上がる。