週末には、ちょっと凝ったお料理を

橋本ねこのお料理部屋( 'ω')

自家製キムチで作る、ガチのプデチゲ


冬はやっぱり鍋物。辛いものもおいしい季節だ。

辛い物はどの季節でもおいしいが、夏はスパイスの効いたもの、冬は唐辛子みたいに中から温まるようなものがおいしい。

 

今回は韓国料理であるプデチゲを作る。

プデチゲについて

プデチゲ(부대찌개)のプデ(부대)部隊を指し、チゲ(찌개)鍋料理を指す。

部隊、つまり軍隊のチゲを意味する。朝鮮戦争時に米軍関係者からハムやソーセージなどの加工肉が下がってきたのを活用して作られたのが始まりとされる。

チゲ自体は昔から食べられてきた料理。トゥブチゲ(豆腐チゲ)、キムチチゲ(≒キムチ鍋)などがあり、基本的には一人用の鍋で供される。

プデチゲらしさ

プデチゲは様々な種類があるチゲの中では比較的歴史が浅く、一般的に広まったのは1960年代となる。

チゲの中でプデチゲと呼ばれるためにはいくつか要素がある。

①加工肉が入る

ウィンナーでもスパムでもハムでも良いが、何かしらの加工畜肉製品が入るとよりプデチゲっぽくなる。

これは米軍から加工肉を入手していた背景によるもの。

②インスタントラーメンが入る

だいたいインスタントラーメンが一緒に入る。これもプデチゲらしさとなる。

麺は煮込みラーメンに適した太めのモチモチとした揚げ乾麺を用いる。いわゆるサリ麺と呼ばれるものが日本だと入手しやすい。

③大きな鍋でまとめて作る

チゲは実は個食が多い。日本の鍋料理は「一つの鍋をみんなで囲んで」というイメージだが、チゲは基本的に一人用の鍋で供される。

しかしプデチゲは大鍋で供され、皆で取り分けるスタイルを取ることがほとんど。

 

これらの要素を満たしながら、プデチゲを作っていこうと思う。

 

作ってみる

材料(2人分くらい)

  • 鍋の具材
    • キムチ・・・100g
    • もやし・・・100g
    • 長ネギ・・・1本
    • ニラ・・・1/2束
    • 椎茸・・・2枚
    • ソーセージ・・・4本
    • 袋麺・・・1袋
    • スライスチーズ・・・1枚
  • スープ
    • 水・・・800ml
    • ダシダ・・・大さじ2
    • コチュジャン・・・30g
    • 韓国唐辛子・・・大さじ1
    • 醤油・・・大さじ1
    • 酒・・・大さじ1
    • にんにく(すりおろし)・・・少々
    • しょうが(すりおろし)・・・少々
    • 塩・・・少々
    • 胡椒・・・少々
    • 白ごま・・・少々
  • ごま油・・・大さじ1

手順とポイント

材料を切って、鍋に入れて煮込むだけ。

――ではあるが、さらにおいしく作るためのコツがいくつかある。

先にキムチを炒める

キムチはそのまま鍋で煮込むのではなく、先にごま油で炒める

色々な材料が使われているキムチには様々な成分が入っており、これらを油とともに加熱しておくことで旨みと香ばしさが生まれる。

その後、煮込んだ時にもキムチから味も抜けづらくなる。キムチって味が抜けちゃうと萎びた野菜たちになってしまうので、そうならないように油でコーティングしておく意味合いもある。

旨みを出したい具材は切れ込みを入れる

今回で言えば椎茸は細かめに切り、ソーセージも丸ごとではなく斜め切りにした。

これらを煮込むことで鍋全体に旨みが広がる。

麺は最後に

麺は他の具材と一緒には入れずに、他の材料に火が通った頃に加える。

いきなり入れてしまうレシピもあるが、沸騰した状態のスープに入れたほうが伸びづらく馴染みも良いような気がする。

 

作り方

①具材の下処理/カット
  • もやし・・・100g
  • 長ネギ・・・1本
  • ニラ・・・1/2束
  • 椎茸・・・2枚
  • ソーセージ・・・4本

まずは切る必要のある具材をすべて切っておく。

長ネギは斜め切りにしておく。

ニラは4cm~5cmにカットしておく。

椎茸は固く絞った濡れ布巾で軽く汚れを取っておく。水洗いすると旨みが出て行ってしまうとされるが、余程気になるようだったら洗ったほうが良いかもしれない。石突を落とし、ダイスカットにする。薄切りにしても良いし、お好み。
ソーセージは斜め切りにしておく。ハムやスパムを使う場合も手頃なサイズに切っておく。

 

もやしは軽く水洗いし、水気を切っておく。

ひげ根や豆部分が気になるなら丁寧に処理をしても良い。

 

②キムチを炒める
  • キムチ・・・100g
  • ごま油・・・大さじ1

キムチを先に炒めておく。

今回使うキムチは前に手作りしたキムチ。

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キムチを炒めるのだけど、炒めすぎないように。

ごま油がキムチに馴染みきって、ちょっとシューシュー言い始めたくらいで火を止める。それ以上やると焦げてしまう。

③出汁を用意する
  • 水・・・800ml
  • ダシダ・・・大さじ2

鍋に水とダシダを入れてスタンバイ。

ダシダを使うだけで一気に韓国料理っぽさが増す。

ダシダは牛肉ver.あさりver.があるが、今回は海鮮の旨みの気分だったのであさりダシダを使用。

④調味料をブレンドする
  • コチュジャン・・・30g
  • 韓国唐辛子・・・大さじ1
  • 醤油・・・大さじ1
  • 酒・・・大さじ1
  • にんにく(すりおろし)・・・少々
  • しょうが(すりおろし)・・・少々

調味料をブレンドしていく。人によっては一番楽しいと感じる部分かもしれない。

 

今回は韓国唐辛子、醤油、酒を1:1:1。

ここにコチュジャンをやや多めに入れる。

醤油の代わりに味噌を入れて味噌ベースっぽくしてもおいしい。

ただ、今回は家に赤味噌しか無かったため断念。多分、豆味噌よりは米味噌が合う気がする。

 

これらの調味料は出汁に溶かす前に混ぜておく。

めちゃ辛そうに見えるが、そこまで辛くはない。

赤からで言うところの3番くらいだろうか。大さじ1の量を基準として、辛さを増したいなら大さじ1.5~2くらい、辛さ控えめなら大さじ1/2~2/3くらいに留める。

 

⑤出汁、調味料、具材を合わせる
  • カット済み具材(①)
  • 炒めたキムチ(②)
  • 出汁(③)
  • 合わせ調味料(④)

あとは準備した材料たちを鍋の中にまとめていく。

 

まずはダシダの入った鍋に先ほどの調味料を合わせる。

白濁していたスープは一気に赤色に。食欲をそそる。

 

ここに切った具材たちと炒めたキムチを投入。

鍋は根菜や生で食べられない具材を先に入れ、葉物や半生でも食べられる具材を後から入れる。溶けてなくなってしまうような具材が一番最後だ。

 

今回はほぼすべての具材を投入。麺とチーズだけ後から入れる。

とりあえずこの状態で沸騰するまで火にかける。

⑥麺を入れる
  • 袋麺・・・1袋

今回用意したのは韓国の袋麺「サリ麺」。

やや太めのフライ乾麺で、煮込んでも麺が負けないのが魅力。もしこういった麺が無ければ鍋用ラーメンなどで代用できなくもないが、せっかく韓国料理を作るのだから何とか探し出してほしい。カルディに行けばあるから。

 

この袋麺をこのまま鍋に入れると、麺一本一本がちょっと長すぎる。

麺はコの字型になっているので、煮込む前に麺の中央に指を入れて開いて割く。こうすることで麺の折り返し地点で分断され、適度な長さの麺が楽しめる。

鍋に入れたらじわじわとスープを吸わせていく。

いい感じにスープを吸ったら、麺の上下を入れ替えて、蓋をして1分くらい煮込む。

一旦蓋を開け、麺を軽くほぐして、さらに蓋をして2分ほど煮込む。

 

⑦トッピングをする
  • スライスチーズ・・・1枚

これでもう食べれるが、本場韓国ではスライスチーズがトッピングされることが多いと聞き、加えてみる。

チーズは溶けやすいものが良いだろう。辛さが苦手な人でも食べやすくなるはずだ。

このまま1分ほど煮込む。

チーズが溶けすぎた。まぁさほど問題は無い。

他にも玉子を入れたり、干しエビを加えたり、いろいろとカスタムするのも良い。

 

食べてみる

見た目にも賑やかで食欲をそそるプデチゲ。

味もばっちり決まっている。魚介類を感じるスープに椎茸とソーセージの旨みも溶けだしており、辛いだけじゃない。

 

麺はやっぱりこのモチッとした太麺が韓国らしくて良い。辛ラーメンとかのあの麺だ。というか味も辛ラーメンに近い。辛さは辛ラーメンよりもマイルドだが。

 

ニラや葱などの香味野菜が活きている。炒めておいたキムチもスープに溶けだしておらず、キムチらしさが残っていておいしい。

辛い物にこれらの野菜はよく合う。

 

冬にハフハフしながら食べるのにぴったりなプデチゲ。

まだ寒さ厳しい時期なので、辛い鍋をぜひ。