手作り料理部

橋本ねこのお料理部屋( 'ω')

異国の味を楽しむ「ケイジャンチキン」


今回作るのはケイジャンチキン。

アメリカ南部の料理である。

 

「ケイジャン」とは

ケイジャンチキンのケイジャンは英語で書くと「Cajuns」、フランス語で書くと「Cadiens」となる。
アメリカ合衆国南部のルイジアナ州に住むようになった「アカディア人(Acadians)」が訛って「ケイジャン」になったと言われる。元はカナダ近く(なのでどちらかと言えば北米)のアカディア地方に入植して住むようになったフランス人が、イギリス人に追放されて最終的にルイジアナ州に行き着いたという背景がある。

似た民族で「クレオール」もあるが、ケイジャンと区別されている。

 

料理文化について

ケイジャン料理とクレオール料理は異なる。

土地はルイジアナ州内なのでほぼ一緒だが、ケイジャン料理は「アカディア人料理+ルイジアナ料理」でありどちらかと言えば田舎風クレオール料理は「フランス・イタリア等の料理+ルイジアナ料理」でありどちらかと言えば都会風と言える。

ケイジャン料理はヨーロッパとの関係がどんどん薄くなり、アメリカの土地・食材との親和性が高まっていった。

クレオール料理は現在の大都市であるニューオーリンズと強く結びつき、より洗練されていった。

 

まぁざっくり「南米料理」と括っても良いのかもしれない。雑な括りをするとどこかから怒られそうだが。
京料理、大阪の粉もの、愛知の味噌、江戸前料理、これらを全部まとめて「和食」とカテゴライズするのと同じかも。違うか。

でもケイジャン料理もクレオール料理もテキサスやメキシコのように唐辛子やクミン等を合わせたスパイシーな香辛料を使用するので、ルーツや歴史は違うものの少なくとも味の系統は近い。

 

今回はそんなケイジャン料理の中からケイジャンチキンを作っていく。

 

材料(2人前)

  • 鶏もも肉・・・200g程度
  • サラダ油・・・大さじ1
  • おろしにんにく・・・小さじ1
  • パプリカパウダー・・・小さじ1
  • チリパウダー*1・・・小さじ1
  • コンソメ顆粒・・・小さじ1/2
  • コリアンダー(パウダー)・・・小さじ1/2
  • カイエンペッパー・・・小さじ1/2程度
  • ナツメグ・・・小さじ1/3
  • シナモン・・・一振り
  • 岩塩・・・少々
  • 黒胡椒・・・少々

ポイント

  1. スパイスを合わせて肉を漬け込んで焼くだけなので簡単。鶏肉以外にもエビ等の海鮮で作ってもおいしい。
  2. この合わせスパイスは色々な料理に応用が利く。おろしにんにくを入れずに粉だけを合わせた状態ならばある程度保存も出来るので、スパイスミックスとして作っておいても良い。その場合はおろしにんにくではなくてガーリックパウダーを使うと良い。
  3. カイエンペッパーの量で辛さを調節する。レシピ通りの小さじ1/2ならピリ辛を少し超えるくらい。小さじ2/3程度に増やせばやや辛め。小さじ1なら結構な辛口。
  4. チリパウダーが無い場合、唐辛子、クミン、オレガノ等を合わせて小さじ1程度になるようにプラスする。
  5. クローブを入れるレシピもあるようだけど、「トラディショナルなレシピだと無かったのではなかろうか」と思い、外した。この辺の有識者の方がいたら実際アメリカ南部でクローブが使われていたのか知りたい。(それを言い出すとオレガノも怪しい。)

作り方

①スパイスを合わせる

  • おろしにんにく・・・小さじ1
  • パプリカパウダー・・・小さじ1
  • チリパウダー*2・・・小さじ1
  • コンソメ顆粒・・・小さじ1/2
  • コリアンダー(パウダー)・・・小さじ1/2
  • カイエンペッパー・・・小さじ1/2程度
  • ナツメグ・・・小さじ1/3
  • シナモン・・・一振り
  • 岩塩・・・少々
  • 黒胡椒・・・少々

まずはスパイスを全部合わせる。

辛さの調整はカイエンペッパーで。

慣れてきたら配合を変えるのも面白い。

 

②油と合わせる

  • サラダ油・・・大さじ1
  • 合わせたスパイス(①)

混ぜたスパイスを油で馴染ませる。これで漬け込み液(マリネ液)のようなものが完成する。

袋の中で合わせると、そのまま食材を漬け込めるので楽。

均一に馴染むように、よく揉んでおく。

 

③漬け込む

  • 鶏もも肉・・・200g程度
  • 漬け込み液(②)

鶏ももを漬け込む。ワイルドに塊のままでも良いし、骨付きの手羽を使っても良いかも。

ある程度ブツ切りにしておいた方が調理は楽。鶏肉だから火の通りも気になるしね。というわけで個人的にはある程度カットしておくのを推奨。

このまま30分程度冷蔵庫でお休みいただく。大きな塊で漬け込む場合は1時間とか漬けても良いかも。

 

④焼く

漬け込んだ鶏肉を焼いていく。

焼く10分前くらいから室温に戻しておくと尚良い。

 

漬け込み液にサラダ油が含まれているため、フライパンがテフロン加工ならば改めて油をひかなくても大丈夫。

鶏肉を皮目から5分ずつくらいかけてじっくりと弱火で焼いていく。

片面が焼けたら裏返してまた5分。

しっかりと中まで火が通ったら完成。

側面の焼き加減が不安だったら、鶏肉を寄せ集めて鶏肉同士で倒れないように立て掛け合うと側面も綺麗に焼くことが出来る。

 

⑤完成

皮目はパリッとスパイシー、中はジューシー。

お好みでレモンをかけていただく。クミンや唐辛子のパンチと、ナツメグやシナモンの甘さが良いコントラスト。

漬け込んでおけばあとは焼くだけ、漬け込んだまま冷凍しておいても良いかも。

 

手軽に異国の味が楽しめるのでオススメ。お酒にも合うし、実はごはんにも合う。

 

 

*1:唐辛子,クミン,オレガノ等のブレンド

*2:唐辛子,クミン,オレガノ等のブレンド