手作り料理部

橋本ねこのお料理部屋( 'ω')

アルゼンチンのソース「チミチュリ」の魅力と作り方

 

 

アルゼンチンのソース「チミチュリ(chimichurri)」を作る。

パセリなどを細かくして混ぜ込んだソースであり、肉料理、魚料理などに乗せて食べるとまぁそれはそれは美味しいと聞いたので、作ってみることにした。

 

チミチュリについて

日本でも一部界隈で有名になりつつあるソースで、チミチュリソースと呼ばれることもある。

検索すると色々な種類のチミチュリが出てくる。というのもチミチュリは材料を混ぜて完成させるだけの家庭料理なので、「これぞチミチュリ」というものは無い。

オリーブオイルとビネガーにニンニクや各種ハーブを刻んで漬け込んだものがベースとなる。ここに他に何の材料が入るかはレストランや家庭ごとに違う。

一応、「チミチュリ ヴェルデ(verde=緑)」「チミチュリ ロホ(rojo=赤)」の2種類があることは確認できた。

 

チミチュリとアサード

そんなチミチュリ。今回はアルゼンチンをはじめとした作り方を参考にしつつ、ヴェルデを参考にしながらある程度「本場っぽいよね」って感じの落としどころで作っていく。

ちょっと日本人向けではないテイストになるが、これがまた肉料理にベストマッチする。

 

背景として、アサード*1に合わせるソースとしているため、日本の和牛のような柔らかいサシ多めの肉質には合わない。

このアザードは下味は塩程度の物なので、こういったしっかりとした味付けのソースを用意すると合うわけだ。

 

材料(作りやすい分量)

  • にんにく・・・3かけ
  • イタリアンパセリ・・・1パック
  • オレガノ(ドライ)・・・大さじ1
  • 韓国唐辛子・・・小さじ2
  • 白ワインビネガー・・・50ml
  • オリーブオイル・・・100ml
  • 塩・・・小さじ1
  • 黒胡椒・・・少々

 

イタリアンパセリの1パックに合わせて、作りやすい分量はこちらとなる。

出来高としては180gくらいになるだろうか。1回に30gずつ使ったとして6回分となる。

 

イタリアンパセリの代替として、いわゆる普通のパセリでも良いが、風味が大きく異なる。正直チミチュリではなくなってしまうため、イタリアンパセリはどうにか手に入れてほしい。意外とスーパーに普通に置いてある。

 

今回は白ワインビネガーを使ったが、赤ワインビネガーでも良いし、普段使いの米酢とかを使っても良い。

油はオリーブオイルを使っているが、高級なオリーブオイルだと逆にオリーブオイルの癖が付き過ぎてしまうので留意。現地だとヒマワリ油を使ったり菜種油を使ったりしているし、別にサラダ油を使ってもらって良い。

 

作り方

①材料をみじん切りにする

食材をみじん切りにしていく。

既に細かくなっている材料はこのままで良い。

 

唐辛子は鞘のものを刻んでも良い。

今回は発色が良く辛味が控えめな韓国産唐辛子を小さじ2だけ使用。辛い品種の場合は控えめに。

 

運良くドライではなく生のオレガノが手に入ったら、こちらも刻むと香り立ちが全然違う。

しかし、なかなか普通のスーパーで生のオレガノは手に入らないため、ドライのオレガノを使うと良い。

 

にんにくは縦半分にスライスし、芽を除く。その後細かく刻む。

刻む細かさはお好みで。粗いと粒感・素材感のあるソースになるし、細かいと馴染みが良くなる。

 

イタリアンパセリは軽く洗って水気を切り、こちらもこれでもかとばかりに刻む。

葉だけではなく、茎の部分も使う。香りは葉から強く出るが、食感が活きるのは茎の部分。

 

②にんにくの加熱

刻んだにんにくを電子レンジで加熱する。

まとめて耐熱皿に乗せ、600ワットで30秒もやれば十分。

これにより、臭いの元となる成分が壊れ、辛みもマイルドになり、食べやすくなる。

別に生で使っても良いっちゃ良いんだけど、あんまり生ニンニクを食べるぎると体にも負担がかかるので控えめに。

 

③ボウルに材料を入れる

  • 加熱した刻みにんにく(①)
  • 刻んだイタリアンパセリ(①)
  • オレガノ(ドライ)・・・大さじ1
  • 韓国唐辛子・・・小さじ2
  • 塩・・・小さじ1
  • 黒胡椒・・・少々

液体以外の材料を全部入れる。

先にこちらを良い感じに混ぜ合わせておく。

今回は見栄えを重視してボウルでやっているが、別に保存用ジッパー袋などで行っても構わない。というかその方が楽である。

 

④オイル、ビネガーを入れる

  • 白ワインビネガー・・・50ml
  • オリーブオイル・・・100ml

オイルとビネガーは2:1程度。海外の方のレシピを見ても目分量でやったりしていることが多いので、なんか本当に感覚なんだなぁという印象。

いきなり全量を入れずに、2:1の比率を意識しながら少しずついい感じになる量まで注いでいく。

あとは本当に好み。サラサラが良ければもっと入れる。ドロッとしていた方が良ければ途中で止める。好みのテクスチャになるよう調整する。

なお、今回の分量だとやや液体多めになる。現地だと食材の上にとどまるくらいの固形感なので、オイルとビネガーはそれぞれ半量でもいいくらいかもしれない。

 

⑤寝かせる

混ぜ終えたら保存容器などに入れて1晩寝かせて、完成だ。

 

唐辛子の色がビネガーオイルに溶けだし、少し辛そう。

この油もおいしいし、例えばラー油だとこういった油がメインとなるが、今回のチミチュリのメインはこの漬け込まれた具材となる。

さっそくウィンナーを焼き、上に乗せてみる。

イタリアンパセリの苦みと爽やかさが独特。イタリアンパセリってただの飾りじゃないんだ、と思わせてくれる味。オレガノ、にんにくもしっかり。

 

続いて、牛肉をぶつ切りにして串にして焼いて一緒に頂く。

アサードと違って普通にフライパンで焼いただけの串モノだけど、なんとなく雰囲気が出る。

これまた合う。絶妙に牛の臭みが取れる感じがする。

牛のクセとチミチュリのクセが丁度凸凹部分がハマるかのようにマッチして、食べやすい。

 

実はアルゼンチンは世界的に見ても牛肉の消費量が多く、隣国ウルグアイに次いで2位となっている。

その消費量はなんと日本の約10倍とも云われる。それだけの牛肉を消費しているのだから、自然とおいしい食べ方も備わるのも頷ける。

 

たまにはこうして異国の食文化に触れるのも面白い。

極稀に、どうしても味覚に合わないものもあったりするけどね、それも込みで面白い。

 

 

 

*1:直火に当てず、弱い火の遠赤外線効果でじわじわと数時間かけて焼く料理。日本式に言えば、串に刺した魚をいろりの周囲に配置して焼くアレがイメージしやすい。アルゼンチン、ウルグアイなどで見られる。