鰹の旬は二回ある。
初夏の北上する初鰹、そして秋の味である南下する戻り鰹。
傾向として、前者は比較的さっぱりとした味わい、後者は脂が乗ってコッテリとしている。
鰹といえばタタキ、もしくは刺身。
いずれにしても生姜やにんにく、ポン酢等の香りの強い薬味やタレを使って食べることが多い。鰹は生臭さや独特のクセがあるため、薬味やタレで打ち消して食べやすくしている。
そこで、今回はイタリアン風にカルパッチョにしてみる。
なお、イタリアでの伝統的なカルパッチョは生の牛肉を用いる。が、日本ではあまり生で牛を食べる習慣が無かったため、魚介類を使ったカルパッチョが浸透していったと言われている。
現在ではイタリアに逆輸入され、イタリアでも魚介類のカルパッチョがあるとかないとか。
レシピ(2人分)
- 鰹・・・1冊(150~200gくらい)
- 玉ねぎ・・・1/2個
- 塩・・・適量
- ドレッシング液
- オリーブオイル・・・大さじ3
- 白ワインビネガー・・・大さじ2
- おろしにんにく・・・小1
- おろし生姜・・・小1
- レモン果汁・・・小1
- はちみつ・・・小1
- 塩・・・少々
- 胡椒・・・少々
- ネギ・・・好みで
- ごま・・・好みで
作り方
①玉ねぎの下準備
- 玉ねぎ・・・1/2個
まずは玉ねぎをスライスする。生で食べるので薄めが良い。
スライスしたら、ボウルにザルを乗せて玉ねぎを入れ、まずは流水で洗う。
ある程度全体がほぐれて洗えてきたら、水を溜め、10分程度さらしておく。
水に浸けることで辛み成分が水に溶けだしていき、生でも食べやすくなる。
②鰹の下準備
- 鰹・・・1冊(150~200gくらい)
- 塩・・・適量
それでは鰹の準備。
今回は190gくらいのやや小ぶりの冊だった。鰹の大きさに合わせて他の分量を調整していただきたい。
こちらに満遍なく塩をなじませていく。裏面も含めて全体に付くように。だいたい小さじ0.5くらいだろうか。
塩を付けておくと、浸透圧の関係で魚内部から水が出てくる。この水の成分は旨みを含むが、魚の場合は臭みの元も含む。そのため、予め脱水しておくと臭みが軽減される。
このままラップをして冷蔵庫へ戻し、10分~20分くらい置いておく。
③ドレッシング液を作る
- 水に浸けた玉ねぎ(①)
- ドレッシング液
- オリーブオイル・・・大さじ3
- 白ワインビネガー・・・大さじ2
- おろしにんにく・・・小1
- おろし生姜・・・小1
- レモン果汁・・・小1
- はちみつ・・・小1
- 塩・・・少々
まずは水に浸けておいた玉ねぎの水を流し、水気を切る。
別のボウルにドレッシング液の材料をすべて入れ、よく混ぜておく。
このとき、まずオリーブオイル以外の材料をなじませてから、最後にオリーブオイルを少しずつ入れて混ぜ込んでいくと、何だか良いような気がする。
よく混ざり、玉ねぎの水分も十分に取れたら、玉ねぎとドレッシング液を合わせる。
このとき、玉ねぎをギュッと搾りながら合わせても良い。水っぽくなると味が決まらずぼやけてしまうので注意。
ドレッシングはボウルで作ったが、最初からこういった保存用袋で混ぜても構わない。むしろその方が楽である。
このまま10分~30分程度冷蔵庫に置いておき、玉ねぎに味を付ける。
④鰹を切る
- 塩を振っておいた鰹(②)
ここで再び鰹に戻る。
鰹表面が汗をかいたようにしっとりとしてきている。
この水分は雑味・臭みを含むため、キッチンペーパーで拭き取っておく。
この鰹をよく切れる包丁でカットしていく。
一方向にスーッと切ると切りやすい。ギコギコと往復させて切ると、断面がボソボソになってしまう。
刺身としてはぶ厚めである1cm程度で切りつけると見栄えも良い気がする。
切った鰹を円形に盛り付けていく。
中央は玉ねぎのために残す。
⑤完成
- 漬けた玉ねぎ(③)
- 胡椒・・・少々
- ネギ・・・好みで
- ごま・・・好みで
漬け込んだ玉ねぎを中央に盛り付け、ネギやゴマを散らし、黒胡椒をかけて完成。
最初の塩分次第だが、塩は少し強いくらいの方が鰹と張り合えておいしいと感じると思う。
もし不足していたら追加で岩塩などを。
白身魚や淡白な魚で作ることが多いカルパッチョだが、鰹でもおいしい。
和風に飽きたら、たまには洋風で。