手作り料理部

橋本ねこのお料理部屋( 'ω')

混ぜないから煮崩れしない、橋本家の肉じゃが

 

 

 

そんなに特別なことはしない、けどちょっとだけ手間暇を加える。
そんな我が家の肉じゃが。

 

材料(4人分)

  • 牛肉・・・300g
  • じゃがいも・・・600g
  • にんじん・・・1本半くらい
  • たまねぎ・・・400g
  • きぬさや・・・10枚
  • 糸こんにゃく・・・200g
  • 牛脂・・・1個
  • 出汁
    • 水・・・600ml
    • 昆布・・・6g
    • 鰹節・・・10g
  • 酒・・・大さじ5
  • 砂糖・・・大さじ4
  • みりん・・・大さじ4
  • 醤油・・・大さじ5

牛肉とじゃがいもは1:2。

出汁の昆布は水の1%、鰹節は水の1.5%くらいを目安に。

材料は一応レシピ然とするためにグラム数を決めたけど、だいたいで大丈夫。
にんじんもじゃがいももサイズが違うもの。ザックリとで大丈夫。

牛肉も外国産で十分。牛肉を買うついでに牛脂を貰っておく。

砂糖も醤油も、いつものやつ。調味料の質で表情が変わるので、こだわるならこの辺かも。

 

ポイント

どこまで凝るか、どこで手を抜くか

どこまで凝っていくか、そしてどこをサボるかは人それぞれ。

家庭料理だし、作り方も正解も人それぞれ。今回は一つの例としてご参考に。

一度炒めて、それから煮込む

まずは一度具材をフライパンで炒めて、それから鍋へと移していく。
野菜を炒めることで甘みや旨みが引き出され、これも肉じゃがの味わいの大事な一部となる。そして煮崩れしづらくなるのも、炒めることによる効果。

 

作り方

①出汁を引く

  • 水・・・600ml
  • 昆布・・・6g
  • 鰹節・・・10g

まずは昆布6gを水600mlに1時間ほど浸けて、昆布を十分に戻しておく。
どれだけ急いでいても30分は浸けておきたい。もしくは一晩浸けておいても良いが、その場合は冷蔵庫へ。

 

昆布を浸けるときに汚れが気になるならば、固く絞った布などで拭き取ると良い。
ただし、あまり拭き取り過ぎると本来旨みになったはずの成分も取り除いてしまう。

自分で作るときはほぼ拭き取らない。

1時間もあれば十分戻る。
昆布が戻ったら、中弱火で加熱をしていく。昆布を入れたまま沸騰させるとヌメリが出てくるので、昆布は沸騰手前で取り出す。

鍋肌に泡が付き始めたら、昆布にはご退場いただこう。ゆるやかに加熱していれば、十分に出汁は取れている。
この使用後の昆布は細かく刻んで佃煮にでもすると良い。

この昆布出汁は、昆布を取り除いた状態で一度しっかりと沸騰させておく。

十分に沸騰させたら一度火を止め、鰹節10gを入れる。

その後再び点火。今度は中火で再沸騰させ、沸騰したらその状態をギリ保てるくらいまで火力を落とす。このまま5分煮出す。

箸で無駄につついたり混ぜたりする必要は無い。

これで完成。あとは漉していく。
慣れれば意外と簡単なので、まとめて出汁を引いて色々な料理に使うのも良い。

ザルにキッチンペーパーを敷く。
このキッチンペーパーは一度濡らし、固く絞っておく。あらかじめ濡らしておかないとキッチンペーパーが折角の出汁を吸い上げてしまい、量が減るし抽出に時間が掛かる。

 

ゆっくりと鍋を傾けることで、鰹節が鍋に残ってくれる。
丁寧に漉していくのが大事。鍋やキッチンペーパーに残った鰹節は絞らなくて良い。

これで鰹と昆布の合わせ出汁が完成だ。

残った鰹節は炒って水分を飛ばしておかかにすると良い。

 

②下ごしらえ

  • じゃがいも・・・600g
  • にんじん・・・1本半くらい
  • たまねぎ・・・400g
  • きぬさや・・・10枚
  • 糸こんにゃく・・・200g

じゃがいもはゴロっと大きめに、にんじんはちょっと小さめに、が個人的好み。
面取りはしても良いけど、しなくても煮崩れないので大丈夫。

たまねぎはくし切り。

 

きぬさやは筋を取り、塩茹でする。

筋は、ヘタを逆側に向かって折り、そのままスッと引っ張ると取れる。
カーブしている方ではなく真っ直ぐな方に筋があるので、そちらに向かって折ったヘタを引っ張れば筋も付いてくる。途中で千切れてしまったら逆側から再挑戦。

鍋に1リットルほどの湯を沸かし、塩を7g程度。
ここにきぬさやを放ち、1分~1分半程度で完了。

時間になったらすぐに鍋から取り出し流水で粗熱を取り、しっかりと冷やす。
冷やすと緑色が鮮やかになる。

きぬさやが冷えたら、キッチンペーパー等で水気を吸わせておく。
その後、斜めに半分に切っておく。これできぬさやの下処理は完了。

 

続いて糸こんにゃく。
糸こんにゃくは"下茹で不要"と書いてあっても匂いが気になるものが多いので、一度軽く茹でておく。面倒なら水洗いでも良いと思う。

こちらは塩茹でじゃなくて大丈夫。沸かしたお湯に放ち、匂いが無くなったなと思えば完了。

茹でた後は、水気を切っておく。

 

③炒める

  • 牛肉・・・300g
  • 牛脂・・・1個
  • カットしたじゃがいも、にんじん、たまねぎ(②)
  • 茹でた糸こんにゃく(②)

フライパンを用意し、牛脂を置く。
弱火でじっくりと牛脂を溶かす。

溶けきるちょっと手前くらいで牛肉300gを入れる。
火を弱火から中火へ。

ここでの狙いは火を通すことではなく、香ばしい焼き色を付ける事。
そのため、牛肉の色が変わりきる前にフライパンから取り出し、鍋へと移しておく。

牛肉を取り出したら、そのままのフライパンでたまねぎ、にんじん、じゃがいもを炒めていく。

こちらも火を通しきることが目的ではない。
じゃがいもに薄っすらと焼き色が付き、たまねぎも透き通ってきたら頃合い。
これで野菜の旨みと甘みが出てくる。さらに肉の旨みも纏わせることが出来る。

野菜もある程度焼き色が付いてきたら、焦げる前に鍋へと合流させておく。

 

なんと糸こんにゃくも同じフライパンで軽く炒める。
まるで焼きそばのよう。

軽く炒めたら、鍋へ。

 

それぞれの具材を炒めることで、肉じゃがとして完成した後でもそれぞれの個性を保つことが出来る。
溶けたりぼやけたりせず、それぞれの具材が引き立つ。

④フライパンの旨みを取る

  • 酒・・・大さじ5

フライパンに酒大さじ5を入れ、沸かす。

この時、フライパンに残った旨みをこそげ取るようにする。

酒が沸いたら、これも具材を入れた鍋へと合流させる。
これでフライパンの出番は終了となる。

⑤煮込む、その1

  • 炒めた具材+酒(④)
  • 出汁(①)
  • 砂糖・・・大さじ4
  • みりん・・・大さじ4

具材と酒の入った鍋へ、砂糖とみりんを大さじ4ずつ入れる。


さらに、出汁を入れていく。出汁の量は具材が全て浸かりきる量。鍋のサイズによって調整する。
出汁は砂糖が溶け残らないように入れていくと良い。

 

このまま弱火で加熱開始。
コトコトと音がしてくるまで加熱。鍋の中を混ぜたり触ったりしなくても大丈夫。蓋も要らない。

 

アクが出てきたら、あえて火を強める。
こうすることで、アクが集まりやすくなる。

アクを取り終えたら再び弱火にする。
このまま更に10分ほど加熱。鍋の中の具材は触らない。

 

⑥煮込む、その2

  • 醤油・・・大さじ5
  • 茹でたきぬさや(②)

ここで醤油を加え、落し蓋をする。湿らせて絞ったキッチンペーパーに数か所穴を開けたもので十分。

この状態でさらに10分程度弱火で煮込む。
じゃがいもの火の通り具合を竹串や爪楊枝で確認し、足りないならば数分追加して加熱する。

その後、きぬさやを加え、5分煮たら完成だ。

完成

あとはバランス良く盛り付けるだけ。

炒めた具材を鍋に移していくとき、鍋の底から牛肉⇒野菜⇒糸こんにゃくの順になっているはず。これによって荷崩れを防いでいる。

鍋の中を混ぜれば混ぜるほど具材は崩れてしまい、じゃがいもは小さくなり、鍋の中は濁り、崩れたじゃがいものデンプンでとろみも付いていく。
それはそれで家庭料理っぽさもあるが、クリアな味わいで具材を引き立たせるならばこのレシピが個人的ベスト。

ちょっと手間暇かけて、ぜひお試しを。