手作り料理部

橋本ねこのお料理部屋( 'ω')

イタリアン版ローストビーフ「タリアータ」が激ウマすぎた

 

 

先日はイタリア料理と見せかけて全く以てイタリアとはかけ離れたパスタ料理を紹介した。

今回はその非礼を詫び、イタリアの牛肉料理である「タリアータ」を紹介する。

 

タリアータについて

タリアータとは

タリアータ(tagliata)はイタリア語で「(薄く)切った」を意味する言葉。

これから作る料理は正式には「タリアータ・ディ・マンツォ・コン・ルッコラ(薄切り/牛肉の/ルッコラ乗せ)となるわけだが、単にタリアータと言ったらマンツォ(牛肉)を指す事が一般的らしい。かつ、だいたい付け合わせとしてルッコラも使われる。

 

似た料理と歴史

ビステッカとタリアータ

シンプルに牛肉を焼いた料理は古今東西どこにでもあり、イタリアのステーキは「ビステッカ*1」と呼ばれる。

豪快にTボーンを使う事が多く、大ぶりの骨付き肉のイメージである。外側は直火でカリッとした食感になるまでしっかりと焼いており、中はレア。狭義では、使用する牛はキアニーナ牛の仔牛肉に限り、骨付きでなければならない。

 

ビステッカに関しては基本的に切らずに供されるが、最近は食べやすさを考慮しカット済みだったり骨を除いてあったりする。ただ、切ってあるとしてもステーキカットであり、薄切りではない。

対してタリアータは専ら塊肉を焼いた後にカットされた状態で供される。ステーキカットではなく、薄切りにされている。

 

ローストビーフとタリアータ

この2つに関しては、まずシンプルに誕生国が違う。ローストビーフはイギリスの伝統料理であり、タリアータはイタリア料理である。

ローストビーフはオーブン調理でしっかりと中まで熱を入れているが、タリアータは表面を焼き固めるようなステーキの調理法であり、火の入れ方に差がある。

 

作ってみる

材料も調理法もシンプルで非常に作りやすい。

材料

  • 牛赤身肉(ステーキカット)・・・200~300g
  • にんにく・・・1片
  • ローズマリー・・・適量
  • 塩胡椒・・・適量
  • オリーブオイル・・・大さじ1
  • パルメザンチーズ・・・適量
  • ソース
    • バルサミコ酢・・・大さじ3
    • レモン汁・・・小さじ1/2
    • オリーブオイル・・・小さじ1/2
  • 付け合わせのさやいんげん
    • さやいんげん・・・4本くらい
    • オリーブオイル・・・小さじ1
    • 塩、胡椒・・・適量
  • 付け合わせのルッコラ

作り方

①付け合わせのさやいんげん
  • さやいんげん・・・4本くらい
  • オリーブオイル・・・小1
  • 塩、胡椒・・・適量

さやいんげんの一端をちぎり、繋がっている筋をそのまま引っ張って取る。

説明が難しいから、「いんげん 筋の取り方」とか「いんげん 筋取り 何のため」とかその辺で何か適当に検索してくれ。ちなみに最近は筋が無い品種も増えてきているため、この工程がいらない場合もある。

その後もう片方の端も落とし、下処理は完了。

 

フライパンにオリーブオイルを熱したら、さやいんげんをイン。

塩、胡椒を適当に散りばめてちょっと焼き色が付いてきたら完成。


さやいんげんをソテーするときに乳化させるためにお湯を入れるレシピもあるが、一歩間違えると熱した油が水を弾き飛ばして危ないのでオススメはしない。

 

②肉の下準備
  • 牛赤身肉(ステーキカット)・・・200~300g
  • ローズマリー・・・適量
  • 塩胡椒・・・適量

塊肉を室温20℃程度まで戻したら、フォークで突き刺してマッサージ。筋切りってほどでもないけど、これによってなんか柔らかくなる気がする。

その後、塩と胡椒、そしてローズマリーを振っておく。両面、側面に馴染ませておく。

今回のレシピではローズマリーとにんにくを用いるが、もっとシンプルに塩胡椒のみでも充分。この辺は好きなようにすれば良い。

 

③肉を焼く
  • 下ごしらえをした牛肉(②)
  • にんにく・・・1片
  • オリーブオイル・・・大さじ1

フライパンにオリーブオイルと潰したにんにくを入れて加熱。

充分に熱したら、肉を焼いていく。

今回はにんにくをオリーブオイルに入れた状態で加熱スタート。にんにくの香りを移すためだ。

にんにくは俎板の上で包丁の腹*2を使って潰しておく。切らずに潰す方がなんかそれっぽいからである。

 

ことステーキ肉に於いては何分焼くかを書くのは野暮だと思っている。音を聞き、目で見て、感じ取るのだ。

まぁそんな事を書いても「うるせぇ」としか言われないだろうから、目安を書く。

今回のレシピで使うような200g~300g程度の一般的な赤身肉ならば、6つの面をそれぞれ2分程度の目安で加熱していくのが良いだろう。

 

こちらが片面2分加熱した様子。どこら辺まで火が入っているのかを見る事で、より正解に近づきやすくなる。

にんにくはこのままだと焦げてしまってかわいそうなのでお肉の上に避難して休んでいるところだ。

 

この2分の加熱をあと残り5つの面で繰り返す事で、外側は良い感じに、そして中だけロゼピンクになるという算段だ。

 

④焼き終わった肉の休憩

肉を焼き終わったらアルミホイルで包んで余熱でじんわりと火入れ。これをするのとしないのとでは大違い。ステーキを始めとした肉料理が好きならば絶対やるべき。

アルミホイルで包んだら、10分も休ませれば頃合いとなる。

 

⑤ソース作り
  • バルサミコ酢・・・大さじ3
  • レモン汁・・・小さじ1/2
  • オリーブオイル・・・小さじ1/2

肉を休ませている間にソースを作る。

肉を焼いていたフライパンにバルサミコ酢を入れて、とろみを感じるまで煮詰めていく。

途中でレモン汁、オリーブオイルも入れる。最初から入れても良いが、レモンとオリーブオイルの香りは飛んでしまう。

 

⑥付け合わせのルッコラ

ルッコラをよく洗い、良きサイズにちぎったらボウルへ入れていく。

オリーブオイル小1、塩・レモン汁・バルサミコ酢は少量を入れ、和えて馴染ませる。それぞれバラバラに入れたけど、オリーブオイルに塩・レモン汁・バルサミコ酢を全て混ぜ込んでから合わせた方が良いと思う。

 

⑦盛り付け

アルミホイルから取り出した肉をカットする。

1cm以内、6mm程度が良い。薄過ぎてもちょっとアレ。

 

さやいんげんを皿に敷き、肉を乗せ、ソースをかける。

その上からこれでもかとばかりにルッコラを乗せたら、パルメザンチーズを散らす。

これで完成となる。

肉の赤、ルッコラの緑、そしてチーズの白が鮮やかな一皿。

 

食べてみる

 

ライスとスープと一緒に。組み合わせがイタリアンではなくなってきたが、まぁ固い事を言うんじゃない。

肉でご飯を食べたくなったんだ。

 

この赤身加減、最高。

煮詰めたバルサミコ酢は砂糖を入れていないのにも関わらず豊潤な甘みを感じ、ルッコラの苦み・辛みがまた良いアクセント。

シンプルながら最高に美味しい。ワイルドに焼いただけの肉ももちろんおいしいが、こうしてバルサミコ酢を使ったソース、ルッコラ、そしてチーズを合わせる事でまたグンと肉の旨みが引き出されたように感じる。

 

簡単に出来る上にパーティー映えもするので、来客が来た時や自分へのご褒美にぜひどうぞ。

 

 

*1:正式にはビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(bistecca alla fiorentina=フィレンツェビーフステーキ

*2:横側