ねこ's Kitchen

橋本ねこのお料理部屋( 'ω')

コツを抑えて濃厚テリーヌショコラを作る

 

 

 


まるで生チョコを丸かじりしているかのような濃密なテリーヌショコラを作る。

材料も簡単で順に混ぜて焼くだけなので比較的ハードルは低いのだが、完璧を目指そうとすると難易度は格段に上がる。

チョコレート系菓子の泥沼と奥深さへ誘われるテリーヌショコラ。バレンタインも近いし、ぜひぜひ。

 

作ってみる

材料

  • チョコレート(クーベルチュール)・・・250g
  • 油・・・60g
  • ラニュー糖・・・30g
  • 卵・・・正味量140-150g(約3個分)
  • 牛乳・・・30g
  • 生クリーム・・・30g
  • ラム酒・・・大さじ1
  • ココアパウダー・・・適量

 

ポイント

テンパリングの温度に気を付ける

チョコレートで重要なのは温度。テンパリング、いわゆるチョコレートを溶かす作業では温度をコントロールしなければならない。温度は高すぎてもダメ、低すぎてもダメだ。

温度が高すぎると風味を損なう。温度が低すぎるとうまく溶けず舌触りに響く。

チョコレートによってベストな温度は異なるため、見極めるしかない。だいたい45℃前後でやれば温度が高すぎるということは無いはず。メーカー推奨温度が分かればそれに従うと良い。

 

溶かした後は一度湯煎から外して休ませる。

材料の温度に気を付ける

せっかくテンパリングが上手く行っても、その後急激な温度降下があると材料は混ざりきらず分離してしまう。

玉子、牛乳、生クリーム等、基本的に冷蔵している事が多い材料を多く使うが、これらは先に計量し予め常温に戻しておく。少なくとも15℃を超えていると良い。

チョコレートの質に気を付ける

市販の板チョコを使っても良いが、せっかくなのでクーベルチュール・チョコレート*1を使いたいところ。

使用したチョコレートの質がダイレクトに仕上がりの味わいにも影響する。

 

なお、今回使用したチョコレートはガーナ産カカオ分56%のスイートタイプのクーベルチュール。砂糖の分量やクリームの量などは使うチョコレートによって調整すると良い。

 

作り方

①材料を準備する

材料はすべて室温に置き、常温に戻しておく。

材料を混ぜていく過程での温度のキープは重要。

もし冷えている材料を入れると全体の温度がガクッと下がり、チョコレートが固まってしまい混ざりにくくなる。口当たりにも影響する。

 

②型を準備する

今回の分量は小さめ(18cmサイズ,容量700ml程度)のパウンドケーキ型となる。

まずはクッキングシートの上に型を乗せ、型の底面4辺の折り目をクッキングシートに作る。切れ目を入れて立体的にし、クッキングシートの加工は完了だ。クッキングシートは型からちょっと飛び出ていた方が中に引きずり込まれないので安定感が出る。

 

オーブン調理の際は水を張って湯煎焼きにするため、水の侵入を防ぐ目的で型にアルミホイルを巻く。

二重に巻いて安定感を出しておく。外側が保護できていれば良いので、内側はここまで長くなくても良い。余分なところはカットしてしまって大丈夫。

アルミホイルとクッキングシートを両方装備するとこんな感じ。

後で慌てないよう、こちらも先に準備を済ませておくと良い。

 

なお、シワやヨレがあるとそのまま生地側面に影響してしまうため、なるべく丁寧に。

 

③チョコレートを溶かす

テンパリングを行っていく。まずは湯煎でチョコレートを溶かす。

 

チョコレートに分量分の油をかけ、45℃程度の湯を張ったボウルで湯煎しながら溶かしていく。指を入れて反射的に指を出してしまう温度だと熱過ぎ。ちょっと熱めの温泉くらいの温度を目指す。

じわじわと溶かしていく。今回はタブレットタイプのクーベルチュールチョコレートを使ったため、細かく砕かなくても十分に溶ける。手早く溶かしたい場合は予め細かく砕いておいても良い。

 

湯煎の温度が下がってきたらお湯を適宜追加。温度の急峻な変化を起こさないよう留意。

とろりと滑らかに溶けきったら湯煎は完了。

湯煎から外し、暫し常温で放置して*2テンパリングも無事完了となる。

 

④卵液を用意する
  • ラニュー糖・・・30g
  • 卵・・・正味量140-150g(約3個分)
  • 牛乳・・・30g
  • 生クリーム・・・30g

チョコレートを休ませている間に卵液を準備していく。

 

卵をボウルに割り入れ、ダマがなくなるまで溶く。

ジャカジャカと大きく混ぜた方が混ざるのは早いが、何となく余計な空気を含んでしまう気がするので、菜箸を底に付けたまま動かして溶くという術を使っている。

仕上がりをふんわりさせたいのかしっとりさせたいのかで分けると良い。今回は後者。

 

その後、必ず一度漉し、カラザや塊を取り除く。

実際に漉してみるとこれだけの溶き残りがある。

舌触りに大きく影響する部分であり、ある意味テンパリングでミスるよりもこの工程を省くことの方がダメージは大きい。どれだけ時間が無くても必ず漉してほしい。二度漉してもいいくらい。

ここで正味量が140~150g程度になると思う。多少ブレても大丈夫。

 

漉した卵液にグラニュー糖30gを入れて溶かしていく。

ここもシャカシャカ混ぜ過ぎないように。グラニュー糖が溶けたら大丈夫。

 

続いて生クリームを30g。

こちらも生クリームが混ざればOK。

ちなみに生クリームは乳脂肪分40%のものを使った。36%くらいでも十分。多ければ良いってものでも無い。個人的には製菓は30~40%台、料理にはもっと低めのクリームを使う。

 

続いて牛乳も30g入れる。

色ムラなく混ざれば大丈夫。どうせ後からチョコレートともうひと混ぜするので。

ガシガシと泡立つくらい混ぜてしまうと空気を含んでしまい食感が重厚ではなくなる。

 

この時、この完成した卵液が冷たくないように。

卵は割卵すると劣化していくので、なるべく混ぜ込む前に常温に戻しておき、この混ぜ終えた状態で常温に放置する時間を必要としないくらいだと完璧。

⑤生地を完成させる
  • チョコレートベース(③)
  • 卵ベース(④)
  • ラム酒・・・大さじ1

ここらへんでオーブンを予熱。180℃にしておく。

 

チョコレートベースを再び人肌程度*3の温度で湯煎しつつ、卵のベースを入れていく。

一度に全部を入れず、3回~4回程度に分けて入れていく。

油と水を馴染ませる、いわゆる乳化の工程となる。根気よく、しかしなるべく空気を含ませないように気を付けながら混ぜていく。

最初は分離していたチョコレートと卵も徐々に馴染んでいく。

すべて入れ終えたら照りが出るまで混ぜる。それが全部混ざった合図となる。

最後にラム酒を大さじ1程度入れて隠し味。これでグッとチョコレートの風味が強化される。と個人的には思っている。

 

⑥焼く

予熱も終わった頃なので、焼いていく。

 

完成した生地を型へと流し込み、型を台に軽く落として空気を抜く。

空気が入っていると変なところが膨らんだり隙間が出来たりと好ましくない。

 

天板にはバットを置き、沸騰後1分くらい放置した80℃以下のお湯を指の関節1つ程度の高さまで注ぐ。

この中に型を置き、いわゆる湯煎焼きにしていく。蒸し焼きのようにしていくイメージだ。

ただしこの時の湯が熱すぎるとグラグラと沸騰してしまい、生地も動いてしまう。生地が動けば空気が入る。これは避けたい。

このまま180℃に予熱したオーブンに入れて17分くらい焼く。

15分くらいで一度様子を見たい。これくらいでかなり良い匂いが立ち込めているはずだ。

ゆすると動くが表面は焼き固まっている、くらいで大丈夫。不安になって追加で加熱をしたくなる気持ちもわかるが、20分もやるとやり過ぎ。

 

今回は17分でやってこんな感じ。16分でも良かったかも、という感じ。

ちょっと表面に泡のようなものが出だしているので、もし売り物だったらダメって感じ。自分で食べたりお配りする分には十分だけど。凝りだすと本当に奥が深い。

なお、焼き過ぎるとボソボソっとした食感になる。

 

⑦冷やす

このままだとプルプル過ぎて、焼きあがった後すぐに型から外すと後悔する。

焼き固めるというより冷やし固めるようなイメージである。

バットから出して粗熱を取ったら最低でも3時間、余裕があれば6時間くらいは冷蔵庫に入れておきたい。冷凍出来なくもないけど、食感がちょっと変わってしまうためオススメはしない。

 

冷やし終えたら型から出し、ココアパウダーをふりかけ、完成。

 

食べてみる

手頃なサイズにカットして、余った生クリームをホイップして、いただく。

カットするときは暖めた包丁で。

冷えたまま食べると生チョコのよう。

テリーヌらしさを存分に味わうなら、少し室温に馴染ませてから。ほどけるようなくちどけ、思わず笑っちゃうような濃厚なおいしさが口に広がる。

レンジアップしてもおいしい。フォンダンショコラのようなチョコレートが楽しめる。

 

作る工程としては複雑ではないため、割と取っ付きやすいテリーヌショコラ。

凝りだすと泥沼だが、まずは気負わず作ってみると良い。そのままチョコを食べるよりずっとおいしいと僕は思う。

 

 

 

*1:「カカオ分35%以上」「カカオ(ココア)バター31%以上」「カカオバター以外の油脂は5%以内」という国際基準をクリアした製菓用チョコレート。

*2:ただし20℃を下回りたくない

*3:35℃くらい